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2018/08/07

【導入事例】元SE人材を時短で採用し戦力化する方法

導入事例♯2【株式会社シャノン様】


株式会社シャノン様(以下、シャノン)は、クラウド型マーケティングルツール「SHANON MARKETING PLATFORM」を提供し、マーケティングオートメーション市場で7年連続シェア1位を獲得(※1)。2017年1月には東証マザーズに上場するなど、急成長を続けている注目ベンチャーです。
従業員数:143人(契約社員含む。2017年10月末現在)
派遣社員:7人(2018年7月現在)週4~5日、1日5時間以上
ウェブサイト:http://www.shanon.co.jp/

今回、代表取締役社長の中村 健一郎氏(写真)と、経営管理本部の佐々木優子氏に、採用課題やサービス利用の背景などについてお話を伺いました。

【当時の人事課題】

課題 ・慢性的な人材不足(SEの即戦力がほしい)
解決策 ・採用ターゲットをフルタイム人材から時短人材へ変更
効果 ・SEの専門スキルを持つ即戦力人材の採用ができた
・時短でキャリアを継続、幅広い生き方の価値観が社内に浸透

 

多様な人材が活躍する企業づくりでお客様と向き合う風土を築く

外資系のメガ企業も参入するなど国内マーケティングオートメーション(以下、MA)市場では激しい競争が繰り広げられています。そこで急成長を継続できている理由を中村氏に伺いました。

―急成長を継続できている理由を教えてください。

設計思想の違い、アナログ面の支援、そして多様な人材が活躍できる企業風土づくりに取り組んできたことです。

当社のシステムは日本特有のデータ処理にも目配りしています。たとえば株式会社の表記が「(株)」や「株式会社」だったり、全角と半角が混在しているなど、日本独特の慣習は多いです。当社はそうしたキメ細かい部分にも配慮しながら開発を進めていて、システム導入後のアナログ面のコンサルティングにも力を入れています。

また、お客さまが抱えている課題をどう解決するかを常に考えています。
お客さまの課題解決と真摯に向き合う風土が築けたのは、多様な人材が活躍できる企業づくりを目指してきたからです。

 

人に教えることは成長に欠かせない。だから新卒採用は大切。

―多様な人材が活躍できる環境作りに取り組まれていますが、人材戦略のポイントをお聞かせください。

軸はふたつあります。ひとつは新卒採用です。当社は創業1年目から新卒採用を行いました。と言っても誇れる話ではなく、即戦力の人材が欲しかったが、できたてのベンチャーに来てくれるはずがなかったからです。

会社がある程度大きくなって、中途人材を採用できるようになってくると、育成が必要な新卒採用はもういいのではないかという声が出てくるようになりました。

でも、私は反対しました。これまで1~2回、新卒を採用しなかった年がありましたけど、人に教えたり、先輩らしく振舞うことは、人が成長するうえで欠かせないと考えます。

 

時短勤務という柔軟な働き方の導入で慢性的な人材不足を解消

人材戦略のもうひとつのポイントは、柔軟な働き方を取り入れた中途採用です。
慢性化、恒常化しているIT業界の人材不足には、われわれもずっと苦しんでいました。

そんな時、ビースタイルのハイスキル人材の派遣サービス「スマートキャリア」(当時、時短エグゼ)と出会い、「あ、こういう考え方の採用って、確かにアリだよね」と気づかされました。5年ほど前のことです。」


―どのような気づきがありましたか?

立派なスキルやキャリアはあるけれど、働き方のところで悩みがあり、フルタイムではなく時短勤務で働きたい。そう考えている即戦力人材が意外と多いことに気づきました。

正直、時短勤務というと営業事務などのアシスタントや補助的な業務というイメージがありましたが、スマートキャリアの方は、とても優秀で、時短勤務という柔軟な働き方を取り入れることで、こんな優秀な人材を採用できるんだと思いましたね。盲点でした。

ビースタイルを通じて働いているメンバーは現在7名(2018年7月現在)。みなさん優秀な方です。

 

時短勤務メンバーが加わり、1つの業務を分担する体制ができた。

―SE部門は多忙を極めている部署ですが、時短勤務に対する不安はありましたか?

最初はどのように業務分担すべきなのか、所属部署で深く検討してもらいましたが、特に問題はありませんでした。以前は、1人が1つの業務を一貫して進めており、誰もが同じスキルを求められていましたが、時短勤務のメンバーが参加したことで1つの業務でも分担して仕事を進める体制ができ、すごくいいと感じています。

 

柔軟な働き方で、人生の選択肢が広いと実感できる。


それに、いろんな人生の選択肢があるんだなということが実際に目で見えるようになりました。これは副次的なメリットとして、すごく大きいと感じています。

―その理由を聞かせてください。

昔のイメージだと、女性がキャリアをしっかり築くためには、男性と同じ土俵で働き、ポスト争いで男性に勝つしかありませんでした。しかし、こんな働き方ができる人って現実問題として少数ですよね。

そもそもキャリアを積むためには、こんな働き方しかない、途中で脱落したら築き上げてきたキャリアを捨てなければいけない、なんていうのはおかしい。それは女性だけではなく、介護離職など、男性にも突き付けられている問題です。

人生の幅は、もっと広くあるべきでですよね。時短勤務でもキャリアをしっかり積んでいく。こうした働き方、生き方があってしかるべき。

でも、言葉だけでは実感するのは難しいですが、実際に柔軟な働き方をしながらキャリアを積み、活躍している人が身近にいれば、「自分もキャリアを捨てる心配はないんだ」「幅の広い生き方が可能なんだ」ということをリアルに感じ取れるはず。

こういう職場って、すごく大事だと思います。いろんな人が、いろんな働き方をしながら、それでも同じゴールに向かって、組織として仕事ができる。それは素敵なことだし、強いチームがつくれるはず。時短勤務で働いてくれているメンバーは、私だけではなく会社のメンバーにいろんな刺激と、掘り下げて考えるきっかけをつくってくれました。

 

多様な人材が活躍できる企業づくりを推進したい。

―今後のビジョンを聞かせてください。

「マーケティングのことを相談するならシャノンにしよう」。そう思ってもらえる会社にすることです。

マーケティングを取り巻いている今の環境は、いろんなツールやサービスがある半面、何をやっていいのか何をすべきなのか、誰に相談すべきかといった本質的な部分が逆に不明瞭になっていると思います。そうした、意外とみなさんが困っていることの解決に貢献したいですね。

自由が丘の雑居ビルで創業したときから「日本で一番になるぞ」と言い続けていて、当時は「何を言ってるんだ、コイツは」という目で見られていましたが、その当時と比べれば「マーケティングのことで相談するならシャノンにしよう」というビジョンは、まだ現実感があるんじゃないかな(笑)。時間はかかるかもしれませんけど、目指していきたいですね。

それと、多様な人材が活躍できる企業づくりも、さらに推進していきたいですね。いま当社の女性比率は42%程度。IT業界のなかでは多い方かもししれませんが、世の中の男女比率を考えれば当たり前の姿かもしれません。女性の活躍推進は、社会全体で解決に当たらなければならない課題。当社の女性社員で育休取得後の職場復帰率は100%ですけれど、ライフステージが変わってもキャリアを積むことができ、自己実現にチャレンジし続けられる。そんな企業文化をこれからも大切にしていきたいですね。


(※1)統合型マーケティング支援SaaS市場、「ITR Market View」2017年版より
※本資料は2018年7月に作成されたものです。掲載されている各種情報は作成時点のものです。

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