2021/01/27
在宅派遣って実際どうなの?求人数・職種データ・事例を公開
こんにちは。
スマートキャリア編集部員、2児の母で時短正社員の金高です。
2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で働く環境も変化し、
派遣でも「在宅派遣」を利用する企業が増加しました。
今回は弊社サービスの利用実績から、
コロナ禍の在宅派遣について具体的なデータや事例などをご紹介しながら解説します。
1.在宅派遣求人の推移と特徴
2.在宅派遣求人が多い職種
3.在宅派遣に向いている求人 ⇔ 向いていない求人
4.在宅派遣を利用する企業の声【部分在宅型】
5.在宅派遣を利用する企業の声【完全在宅型】
6.まとめ
1.在宅派遣求人の推移と特徴
2020年4月の第1回緊急事態宣言の発令を機に
ビースタイルスマートキャリアの派遣求人のうち、
完全在宅・部分在宅を可能とする求人が増加しました。
※2020年ビースタイルスマートキャリア派遣求人データより
なかでも正社員クラスの即戦力人材をご紹介する求人での在宅求人率は直近で66%と高く、
一般的な事務・アシスタント人材をご紹介する求人と比較すると倍以上の割合です。
企業でもテレワークの導入が進み、派遣社員にも波及したと考えられますが、
なによりも在宅可能求人は求職者からの人気が高く、出社型求人と比較して
平均応募数が約5倍となることがデータで明らかになっています。
また出社型求人と比較して、求人掲載から人材紹介までの日数も
平均で半分に短縮できているというデータもあるため、
必要な経験・スキルを持つ即戦力を妥協せずにスピーディーに採用したい
と考える企業を中心に在宅派遣の利用が伸びています。
2.在宅派遣求人が多い職種
ここ最近の雇用情勢をみると、コロナ禍により悪化しており、
厚生労働省の「一般職業紹介状況[実数](除パート)」によると、
2020年11月の全国新規求人数は前年同月比で-21%となっています。
※厚生労働省「一般職業紹介状況[実数](除パート)」より
在宅求人率が平均66%と高いハイスキル派遣の求人も
コロナ禍の影響で求人数は若干減少していますが、
その中でも求人数が伸びている職種はあり、
またその職種の在宅求人率も高いことが分かりました。
ハイスキル派遣の求人数上位10職種に注目し、
求人数の伸びと在宅求人率を見てみました。
※ビースタイルスマートキャリア ハイスキル派遣求人2020年10-12月データより
特に求人数が伸長している職種ほど、在宅率は高いのが見て分かります。
伸長していて在宅率高いSEや企画・マーケティングの求人は
人選の優先ポイントとして、依頼から就業までのスピード、就業条件、
コストなどを抑えて“スキル”を挙げる企業が多く、
ミッションや実行して欲しいことから、必要スキル・経験が明確な求人も多いです。
在宅勤務を可能にし母集団を広げることで、
『必要スキル・経験』により近い即戦力人材を採用したい企業の意向が表れています。
3.在宅派遣に向いている求人 ⇐⇒ 向いていない求人
求人率が上がっている人気職種は在宅派遣を可能にすることで
求める人材により近い採用が可能になることがこれまでで分かりました。
しかし、実際在宅求人率が高くない職種は在宅派遣の利用が難しいのか?
というとそうではありません。
では、在宅派遣に向いている求人、そうでない求人がどのようなものか見てみましょう。
在宅派遣に向いている求人
成果が明確在宅勤務は、作業工程が見えにくいため評価しにくい欠点があります。
そのため、成果が明らかな業務の方が向いています。
例:SE、企画マーケティング、Web系職種、カスタマーサポート、インサイドセールス等
出社が必要ないPCがあり通信環境が整った環境で業務が可能であれば在宅派遣は向いています。
ある程度自走可能コミュニケーションはチャット・オンライン会議ツールなどで充分で、自分で考えて業務を進められるものは在宅派遣に向いています。
在宅派遣に向いていない求人
紙を扱う業務がメイン毎日紙を扱わなければならない業務は在宅には向いていません。
特定の機械・機材が必要製造業や生産業は特定の機械や機材が必要なため在宅には向いていません。
対面での業務がメイン対面でのコミュニケーションが必須となる接客や販売、医療関係の業務は在宅には向いていません。
よく、バックオフィス系の業務は在宅派遣には向いていないのでは?
とご相談を受けることがあります。
在宅派遣には大きく分けて「部分在宅型」と「完全在宅型」の2つあり、
バックオフィス系のお仕事では前者がよく利用されています。
例えば「法務」のリーガルチェックは在宅でも可能なため在宅派遣の求人率も54%と比較的高いです。
紙を扱う業務が発生する「経理」や「人事労務」なども、
週に1-2日・月に数日など紙業務を行う日をまとめることで部分在宅を導入しています。
まずは業務1つ1つをExcelなどで見える化してみることをおすすめします。
案外在宅ワークでも対応できる業務は多いと思います。
4.在宅派遣を利用する企業の声【部分在宅型】
ここからは、実際在宅派遣を利用している企業の声をご紹介します。
派遣の在宅勤務はイメージがわかない、どう取り組めばいいの?という方は参考にご覧ください。
まずは利用の多い『部分在宅型派遣』からご紹介します。
自走できるスタッフは在宅ワークに問題なく適応
紙を扱う業務のため週1日は出社
お話を伺った方
株式会社メンバーズ(ITサービス/1491名(2020/9末時点))
労務部門マネージャー 戸田様
派遣スタッフ情報
採用職種:労務(2名)
就業日数:週3日、10時-18時(実働7時間)、週4日、9時-15時(実働5時間)
就業形態:コロナ後、一部在宅ワーク
―コロナ禍で派遣スタッフは出勤型から一部在宅ワークへ移行されましたが、
在宅・出社で業務内容は変えていますか?
コロナの影響で社員も派遣スタッフも全員在宅ワークに移行しました。
労務グループには紙を扱わなくてはならない業務もあるため、
週1回程度出社していますが、それ以外は在宅で勤務していただいています。
在宅ワークでも特に問題なく業務を遂行できています。
―在宅派遣の利用で工夫した点はありますか?
コミュニケーションについては、
●毎朝10分程度のオンラインミーティングの実施
●チャットツールの利用
を設定しただけですが、何かあればすぐに連絡し合える環境でした。
支障は感じませんでしたし、業務に問題はありませんでした。
ただ、誰もがこのスタイルで通常と変わりなく業務遂行できるかというと疑問です。
主体性をもち自走できるスタッフだからこそ適応できていると思います。
5.在宅派遣を利用する企業の声【完全在宅型】
次に『完全在宅型派遣』を利用している企業の声をご紹介します。
就業初日から完全在宅ワークでも
リード獲得目標500%達成を実現!
お話を伺った方
株式会社ジーニー(ITサービス/264名(2020/3時点))
マーケティング部MGR 中釜様
派遣スタッフ情報
採用職種:webマーケティング(Web広告の運用)
就業日数:週3日、10時-17時(実働6時間)
就業形態:初日から完全在宅ワーク
―派遣スタッフの完全在宅ワークに不安はありましたか?
本来なら、お互いが安心して業務を進められるタイミングまで出社していただいてから
在宅へと考えていたので、対面でのコミュニケーションをとらないまま
完全在宅ワークをお願いするのは、正直不安でした。
しかし、結果としては全く問題なくリード獲得目標を500%で達成という
驚愕の成果を出してくださいました。
―初日から完全在宅ワークでしたが、当時の採用背景や人選の条件を教えてください
当時のWeb広告グループは、運用戦略を一から練り直す段階で、
●BtoBマーケティング経験が豊富
●SNS広告の運用経験
●定量的な実績がある
●効果測定、企画、運用まで自分でPDCA回せる方
と、かなりハードルの高い条件で依頼しました。
広告運用の戦略練り直しという社員も不慣れな時期でしたが、
このスタッフが業務設計から運用まで担当してくださり、目標500%達成を実現できました。
―在宅派遣の利用で工夫した点はありますか?
特にチーム内でのコミュニケーションは意識しました。
●朝礼の代わりにWeb会議を開催し報連相の機会を作る
●チャットツールでこまめに連絡できるようにする
●ミートデーを設け、定期的に顔を合わせる機会を作る
などで、コミュニケーションロスが生じないよう工夫しました。
ただ、これは正社員も同じで、派遣だから特にという点はありません。
■ 考察
部分/完全在宅派遣の利用事例を見る限り、
在宅派遣のために受け入れ先業が特に整えた環境や制度は特になく、
企業全体で利用するツールなどで対応できているようです。
ただ、初めから在宅ワークを派遣スタッフに依頼することに
不安を感じる企業も少なくありません。
その場合は、初回契約期間は出社し、派遣スタッフの立ち上りを見て
部分在宅や完全在宅へ徐々に切り替えていくという方法もあります(以下図参照)。
6.まとめ
今回は、弊社サービスの利用実績から、
コロナ禍の在宅派遣についてのデータや事例などを交えお伝えしました。
在宅派遣をまだご利用でないご担当者の皆さまは
利用のイメージをいただけましたでしょうか?
微力ながらお力になれれば幸いです。
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