「bsty!eリアル」は、経営・人事・採用課題のリアルを体を張って追究する情報発信サイトです。

【ノンフィクション】上司と部下は、なぜ仲が悪くなるのか?

上司と部下は、なぜ仲が悪くなるのか?

〜仲が悪かった元上司と部下の関係を掘り起こして、組織内部に起こる問題の原因を突き止める。〜
こんにちは、ビースタイルの日焼けしすぎ役員こと宮内です。

人が転職する理由には、表と裏があるそうです。
表の理由は、「キャリアアップしたい」「事業内容に共感をした」など
が挙げられるようですが
なかなか面接で聞いても出てこない、本音の転職理由。
すなわち前の会社を退職した裏の理由の第一位は
「直属の上司と合わない」だそうです。
半径10メートルの人間関係が、職場の印象を決定すると言われますが
上司と部下の関係性は、社員のモチベーションアップ、組織の生産性アップ
退職防止、に重要なポイントと言えるでしょう。
一度こじれてしまった上司と部下の関係は
なかなか修復できないもの。
そこで、こじれる前に手を打っておきたいのだが、
どのタイミングで、何をきっかけに、
上司と部下は仲が悪くなるのか?
この原因を究明するためには
事実検証が必要であった。
しかも、リアリティに迫るには
ノンフィクションの実名取材が良い。
そこで、ビースタイル編集部では、
社内で仲が悪いという、噂が流れた、
上司・部下に取材を試みた。
その中で、実名報道・ノンフィクションに
了承を得た2名を紹介したい。

中堂祥音(30歳)新卒入社7年目 経営管理部・人事採用責任者。
入社後、様々な部署を渡り歩き、営業職として開花。
その後、営業マネージャーを経て、2018年より現職。
アメリカと青森県のハーフで、ビースタイル1のポジティブ男。
「いいじゃん、いいじゃん!」が口癖。
松岡和宏(28歳)中途入社4年目 スタッフィング事業部・サブマネージャー。
化粧品業界での営業経験を経て、ビースタイルに中途入社。
スタッフフォローチームのメンバーとして経験を重ねたのち、2018年より現職。
営業はまず身だしなみ、毎月のヘアカットが欠かせない。

2人は、すでに上司部下の関係を解消している。
しかし、この記事をきっかけに、ギクシャクしたり
負の感情を発生させないことを約束してもらい
この取材に、全面的に協力を頂いた。
あくまで、本ブログの目的である
「人事や組織マネジメントにおける
モルモットとしてのビースタイル社内」
として参考に(おもしろがって)頂ければ幸いである。

部下、松岡の証言

先に、部下である松岡に聞いてみよう。

松岡 僕、そんな悪い噂が立つようなことはしてないですよー。

― 開口一番、弁解の言葉を口にする松岡氏。

宮内 いや、別にまあ、事情聴取するわけじゃないからさ。

― 後ろめたさを隠すような顔を前に、楽しそうな宮内。
こうして取材は始まった。

1.上司の第一印象は「ウェーイ」&「チャラい」だった!?

宮内 中堂くんとは、何年くらい一緒にやってたの?
松岡 一年ぐらいですかね。僕が入社して、一年ちょっと経ったくらいからです。
宮内 第一印象はどんなだったの?
松岡 最初ですか?なんか、ウェーイって感じだなと。
宮内 ウェーイ(笑)
松岡 なんか、ノリできたなっていう、ところですかね。
宮内 それに対して松岡はどうだったの?
松岡 僕ですか?うわーきちゃったかぁ、こういうやつかぁ、みたいな。まあ、ノリがいい人なんだろうなーみたいな。そんな感じですよ(笑)

― 実にわかりやすく、笑ってごまかす松岡氏。どうやら、嘘が付けない男らしい。

宮内 ちょっと上司としては?
松岡 そ、そうですね。チャラいなと、上司としてはどうなんだ、とは思いましたね。はい。
宮内 例えばどんなところが?
松岡 えー。まず、腰パンだし、服装がなんか私服だし(※注1)、なんかこう・・・清潔感がないし。頼りにならなそうだなって。
宮内 まずちょっと見た目が気になったってことだね。松岡のイメージする上司像とは、ちょっとズレがあった?
松岡 そうですね、ちょっと違う・・・。青木さん(※注2)のような、清潔感があって、爽やか~な人をイメージしてましたね。


※注1:中堂は、営業から戻るとなぜか、私服に着替える
※注2:青木さん・・・ビースタイル1シュッとした男

宮内 仕事の中身はどうだったの?最初にちょっと、「ん?なんかこれはおかしいぞ」って思ったこととか。
松岡 あー、そうですね。なんかこう何でも、ノリとか、気合いとか精神論で頑張る、みたいなところは、ありましたね。
宮内 それで、困ったこととかあるの?
松岡 企業さんとうまくいかなくてどうしようって悩んだときとか、
ちょっとアドバイスが欲しいだけなのに・・・。
「とりあえず俺をつれてけー!!」「俺を連れていけば何とかなる!!」みたいな。
別にその答えが欲しいんじゃないんだよなーって。

2.上司を思って社長に直談判!

宮内 なんか聞いた話によると、中堂を目の前にして、社長の増村さんに物申したらしいじゃない。
松岡 あ、そうです。
宮内 それはどうして言おうと思ったの?
松岡 あの時はー、なんかこういい機会だし、中堂さんが普段考えていることも知りたかったし。あとは、なんか「上に立ちたい、立ちたい」ってよく言っているので、
ちゃんと有言実行しろ、と。
宮内 なるほど。
松岡 なんかもっとこう、みんなから慕われるように、ちゃんと身なりだったりとか
清潔感出したほうがいいんじゃないですかっていうことも言いましたね。
宮内 それは、純粋に中堂のことを思って?
松岡 あー。純粋に、思ってますね。
宮内 てことは、人間的には好きな部分もあったの?
松岡 あります、あります!
宮内 それはどんなところ?
松岡 明るいし、自分にはない、その・・・天真爛漫さとか。周りを明るくして
モチベーションを高くしてくれてるんだろうなって、そういう一面は本当にすごいと思います。
宮内 自分もそれでモチベーション高まった、みたいなことはあったの?
松岡 そうですね。なんか自分がこう、うまくいかないなって時に関しても、
「そんな落ち込んでてもしょうがないよー」みたいな言葉を、よくかけてくれていたので。
それはすごく心強かったなって。

― 一人の人間としての“中堂祥音”には、どうやら好意を示しているらしい。
しかし、掘ればまだ出てきそうだ。

3.人として好きでも、『上司』となると・・・?

宮内 じゃあ、逆にこれはきつかったな、みたいなことはあるの?
マネジメントとか関係性とか。
松岡 きつかったことですか?
いやもう、さっきと重なっちゃうんですけど、「俺を連れてけ!」だけじゃなく
どうやったら伸びるかみたいな意見が欲しかった、と思うことはたまにありましたね。
本気で伸ばしたいと思っているけど自分では手段がわからないので、
経験のある先輩から、今まで担当されたクライアントさんの話とかを聞きたかったのに。
連れてけ、のワンパターンじゃなくて、もう少し別の視点から見た意見が欲しかった、
というのはありました。
宮内 それは言い換えると、松岡はもっとスキルアップしたかったってこと?
松岡 はい。そうですね。

― 人間としては好意を示していても、いざ上司となると、必ずしも同じとは限らない。
上司であるがゆえに、求めるものや理想の回答が具体的になるからであろうか。

宮内 今振り返ってみて、もっとこうしておけばよかったな、と思うことはある?
松岡 あー、もっと、営業同行いっぱいしてもらえばよかったなって思ってます、逆に。
あれだけ、連れてけ連れてけって言っていたけど。
宮内 それは、連れていかない理由はあったの?
松岡 以前中堂さんを連れて行ったときに、「え、この人本当に上司ですか?」って
帰り際に言われことがあって。クライアントさんによって、信用性というか
あの明るさ・ノリみたいなものが、合わないということがあったりして・・・。
宮内 そういうのがあったんだ。それでも、もっと同行してもらえばよかったなって思うのは、どうして?
松岡 同行してもらったときに、「もっとこういう風に話したほうがいいよ」ってアドバイスをくれたり、あとは中堂さんが話している内容も、自分が話さない内容として勉強になるなって。

4.自分が部下を持つようになって、感じること

宮内 なるほどね。逆に今、自分が上司という立場になって、思うことはありますか?
松岡 そうですね。コミュニケーションが本当に大事だなって思うし、あとはその、
明るさだったり前向きさだったり、自分の気持ちがメンバーにも反映されるなっていうのは、今身に染みて感じています。
宮内 つまり、中堂さんからも学ぶべきところはあった、ということですね?
松岡 そうですね、今となれば(笑)
「いいじゃん、いいじゃん!」って言うのも大事だなって思ってます。
それから、僕が営業同行を依頼しなかったら、中堂さんからガンガンやってくるようになって、「ここも連れてってくれ」って感じで。
それを見て、今度は僕がメンバーに対してやっていかなきゃなって気持ちになりました。
あとは目標の数字についても、中堂さんは自分が作った数字をほかの人に分けたりしていて。
やっぱ、自分が動いてそれをみんなに還元していくみたいな動きは、学びました。
宮内 もしまた、マネジメントを受けたり、一緒に仕事をしたりするとしたら、
中堂くんにどうなってほしい?
松岡 んー、もうちょっと人の話を聞いてほしい(笑)
自分の意見を言うのもすごく大事なんですけど、
もうちょっと話を聞いてほしいなって感じですね。中堂さん、突っ走っちゃうんで。はい。
宮内 本人、わりと聞いてる認識でいると思うよ。
松岡 えーほんとですか?なんかこう、僕が話した1割に対して9割話してる、みたいな。
まあ、それはそれで面白いからいいんですけど。

5.上司が突然の異動!その時の心情は?

宮内 ちなみに、中堂くんが異動で離れるってなったときにどんなこと思ったの?
松岡 あー。最初は、あぁいなくなっちゃうんだって、ホッとしたような気もするんですけど、
いやーやっぱ寂しいなって気持ちが最後に出てきたな、とは思います。
離れると離れるで、寂しいなって。
宮内 で、結論的には好きだったってことですか?
松岡 そうですね。
宮内 わかりました。じゃあ、もういっかい同じチームで!
松岡 ええっ!!ハハハハハ。また同じチームですか!?
いやいやいやいや・・・。
もういいですかね?ありがとうございました。

― 颯爽と会議室をあとにする、嘘をつけない男松岡。
最近頼もしくなったと周囲に言わせる背景には、元上司である中堂の影響があるのかもしれない。

上司、中堂の供述

次に、上司である中堂に話を聞いてみた。

中堂 いやー、俺は白ですー。

― 部下同様、開口一番に弁解の言葉を述べる中堂氏。宮内は相変わらず楽しそうだ。

宮内 ハハハハ、みんなそう言うんですよ。
じゃあ生い立ちから色々聞いていこうかな。
中堂 生い立ちから!?いやいや、僕は松岡くん好きですよ、ぼくは!

― やたらと強調する中堂氏。これはにおう。間違いない、君はクロだ。

1.部下の松岡とは、WINWINの関係だった?

宮内 思い返してみて、松岡くんとの関係性はバッチリだったと思いますか?
中堂 今思うと、数字のことではかなり厳しく詰めていたかなー。
でも、彼はそれにちゃんと応えて、成果もあげてくれて、WINWINの関係だったと思ってますが・・・。
宮内 WINWINの関係ですか。詰めているとき、松岡くんの反応はどうでしたか?
中堂 アワアワしてましたね。言い訳が多くて、それに対して僕がさらに詰める、という繰り返しでした。
宮内 特にフォローはせず?
中堂 そうっすねー。僕のチームのメンバーになりたての頃に、1on1を居酒屋でしたくらいで
それ以降はけっこう放置だったかもしれないです。
宮内 最初の1on1ではどんなことを話したの?
中堂 彼の働くモチベーションとか、どういうキャリアステップを踏んでいきたいのかとか。
ただ、考えてみたら、聞いた内容全部忘れてますね。ハハハハハ。

― どうやら、中堂氏はあまり深く考えない男らしい。果たしてウラが取れるのか、先が思いやられる。

宮内 実は、松岡くんにも話を聞いたんですが、中堂さんとの最初の出会いはどうだったの?って。
中堂 うんうん。
宮内 「なんかウェイウェイ言ってる」って。「ちょっと苦手だな」と感じていたらしいです。
中堂 あー、言ってた!若い頃はめっちゃ言ってましたね。
なるほど、第一印象はそこから始まったんですね。

2.あえて部下を放任した理由とは?

宮内 その後もその印象は変わらず、苦手意識は消えなかったそうです。
それについては、どう思いますか?
中堂 え?僕ただのウェイウェイ野郎じゃないっすか!
苦手意識を持たれているなんて、まったく感じませんでした。
男って、あんまり口出されたくねえ!みたいなのがあると思うから、
基本的には、期待とプレッシャーだけかけて、あとは任せっきりにしていました。
宮内 営業のアドバイスは、あまりなく、ひたすら同行に連れてけー!みたいな。
そんな印象が強いみたいですが、どうですか? ちょっと苦手だったようです。
中堂 なるほどですね。でも、それわかる気がします。
毎日かなり強めに、メンバーに言ってたので。

― 徐々に小さくなる中堂氏。これでは出るものもでない、ちょっと指向を変えてみよう。

宮内 じゃあちょっと番外編的に。「社内で私服に着替えて、腰パン姿は何なんだ?」って言ってましたよ。
中堂 いや、それマジな話で、でも指摘されてから僕、腰パン止めたんですよ。
止める前は、週次の振り返りとか1on1でも、「んで~なに困ってんの~?」
「えーそれやばいねー!どうしよっか~」って感じで腰パンのまま話してて。
ただ、極めて真面目に、一生懸命、彼だけのためを思って!
そしたら、あれはどうなのかと思う、っていう話を事業部長経由で聞いて。
9か月くらい前ですかねー。で、そこから半年くらいは大人しくしてたんですけど・・・。

― なぜか少し気を取り直したらしい中堂氏。口元が緩み始めた。

3.一緒にやっていたときに、良さに気づかなくても「いいじゃん!」

中堂 僕も番外編なんすけど。先月、元メンバーのみんなが僕の送別会を開いてくれて、
そのとき松岡が言ってくれたんすよ。
「中堂さんがいなくなって、中堂さんの大きさとか、愛に気づきました!」って。
宮内 それは言ってました! 今、自分がそういう立場になって、背中で見せるとか、
メンバーに対して常にポジティブな言葉を投げかけるとか、
そういうことが大事だってことを中堂さんから学びましたって。
中堂 つまり、ウェイウェイやるってことっすね。これはいい話だ!
宮内 ただ、一緒にやっていたときは、全然良さに気づかない。これについては、どう思いますか?
中堂 それでいいんじゃないですかね。ぶっちゃけ、反省はしてないっす(笑)
宮内 反省はしていない、ときましたか。
中堂 だって僕は、メンバーを幸せにすることがマネージャーの仕事だと思っていて、
そのためには、まず成果だと。ただ、その先にやりがいや幸せがついてくるよってことを
みんなに知ってもらいたくて、僕は突っ走ってたんです。

― 上司には上司の言い分がある。双方口にしない想いや考えによるすれ違い、性格や価値観の不一致、まるで離婚した夫婦を見ているようだ。

宮内 ちなみに、メンバー同士はすごく仲が良かったらしいですよ。
その合言葉は「中堂を見返そう」だそうで(笑)
「俺らでもできるぞ」「別に同行がなくても、ウェイウェイ言われなくてもできるぞ」と。
それについてはどう思いますか?
中堂 まあ、かの有名なスティーブジョブズさんも、それで成果が出るなら、と(笑)
いやー、当時はマネージャーになりたての頃だったから、
正直、僕もどうやったらチーム感を出せるのかがわからなくて。
とりあえず人の3倍やろう!って決めて、ずっと営業に出てたんです。
だから、みんなが何やってるのかも全然わからなくって。
宮内 一つのやり方でもあるね。
中堂 で、僕一人だけ頑張ってもどうしようもないから、みんなにどんな風に
どうやって受け止めてもらおうって考えるようになった感じです。

4.上司という立場になった元部下、松岡に今後望むこと

宮内 なるほどね。そんな経験を経た元マネージャーから見て、
今後、松岡くんにはどうなってほしいですか?
中堂 彼は今リーダーとして、すごく必要な人間だと思うんですが
ただ、あと一歩実力が足りないなとも思っています。
営業力や問題解決力が身に付けば、もっといいリーダーになるんじゃないかなと思います。
リーダーとしての素質はあると思うので、まずは個人の能力を。
宮内 なるほど。松岡も、結論、尊敬しているとは言ってましたよ(笑)
中堂 了解しました。じゃあ、ちょっと苦手に思われてたんだなくらいの認識で、
この先も僕のスタイルで頑張っていきます。
宮内 最後に、何か言っておきたいことはありますか?
中堂 僕は松岡、好きですよ。
宮内 はい、ありがとうございました!


― 満面の笑みを浮かべる中堂氏。彼の供述からは、終始、部下松岡への愛が感じられた。
果たして、本当にこじれていたのだろうか。

こうして、宮内による個別取材は終了した。

編集後記 宮内修

長年マネジメントを経験して、一番の問題は、上司と部下の関係性です。
私も、数々の失敗を犯してきました。
今回、その原因を探ろうと一つのケースを検証してみましたが
ちょっとレアケース過ぎた気もします。
ただ、上司部下の関係性を崩すのは
見た目や態度であったり、ちょっとした一言であったりするのが、わかりました。
しかも、上司の方は、なかなかそれに気がつかない。
一方、人間的にまったく合わないかというと、そうでもなく、好きな面もある。
結論的には、コミュニケーションの頻度が大事なのかなと思う。
それも、一方的に話す、聞くということでなく、お互いが思ったこと、感じたことを話しながら
一致点、相違点を情報交換する。
そして、お互い普段の行動を気にかけて、認める。声をかける。時にはアドバイスをする。
一見、不真面目そうなインタビュー記事でしたので、最後はまじめに締めてみました。

  • FB
  • LINE
  • Twitter
  • B!

記事担当ライター

宮内

「日焼けしすぎ役員」こと宮内です。