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明日、部下に妊娠を報告されたら・・・


こんにちは。
ビースタイル新人編集部員の「カワモリ」こと、川守田(カワモリタ)です。

皆様は、突然部下に「ご報告したい事があるので、少しお時間よろしいですか?」
と言われたら、
色々なことを推測すると同時に、身構えませんか?
トラブル、退職、妊娠、結婚・・・。

社員のあれこれをネタにし、ブログを書くのがビースタイル。
今回、「モテる上司」ブログや「社内恋愛」ブログの記事で人気を博した
元ブログ編集長、伊藤愛の妊娠をネタにしようと、社内調査に繰り出した。


※先日、無事に元気な男の子を出産しました。
産休前に、あたたかいメッセージをくださった皆様、ありがとうございました。

その結果、
こんな悩みや疑問を持っている管理職がいた事が発覚しました。

【部下が妊娠したときの疑問】

Q1 妊娠報告をされたとき、
           どのようなコミュニケーションをとった方がいいか?

Q2 どうすれば妊婦社員の不安・負担が軽減されるのか?

Q3 欠員によって溢れた業務を、どう回せばいいのか?

※記事後半にビースタイル的Answerを記載しております

 

そこで今回は、従業員の約7割を女性が占めるビースタイルの中で
7人の妊婦社員をマネジメントした経験を持つ
人材開発部の部長、百瀬と
妊娠の当事者である伊藤に取材をしてきました。

 

上司が語る、妊婦のマネジメント

百瀬愛子入社14年目 人材開発部 部長
キャビンアテンダント、大手人材企業を経てビースタイルに入社。
ビースタイル唯一のママさん執行役員として、家庭と仕事の両立に日々奮闘。
土曜日はお子様の2つの習い事の送り迎え、
唯一ゆっくりできる日曜日は漫画を大人買いして熟読している。
川守田 先日、伊藤さんが無事ご出産されたとの事でしたが、百瀬さんは多くの妊婦社員を見届けてきましたよね。
百瀬 そうね、7人くらいの妊娠から産休までをみてきたかな。
川守田 今回は、そんな百瀬さんに「社員から妊娠報告を受け、産休に入るまで」に配慮した事や、マネジメントする上でのコツなどをお伺いしようと思います。

1.妊娠報告を受けた時~マネジメントのコツとは!?~

川守田 ではまず、妊娠を伝えられた時の率直な気持ちはいかがでしたか?
百瀬 二つの気持ちがありました。その道を経験している個人としては、子育ては世界が変わるので「よかったね!是非楽しんで!」と思う気持ちと、
やっぱり私は事業部長(※当時、伊藤が所属するスタッフィング事業部の事業部長)でしたので、「業務が滞らないようにするにはどうしたらいいか」という気持ち。

ただ、起こっている事と感情は分けて考えないといけないので、本人の前では、極力「困ったなあ」という話はしないように気をつけていました。欠員に対する対処は私だけが考えればいいと思っています。

川守田 その他、妊婦社員と接する際のスタンスで気をつけている事はありますか?
百瀬 全面的に復帰後のことを考えるようにしました。
川守田 具体的に言うと?
百瀬 初めての妊娠の時って、わからない事だらけでとっても不安なんですよ。
どこまで、これまで通りに仕事をして問題ないのか、とか、未知すぎて一人では答えが出せないことに悩まされます。だから、妊娠した本人は「仕事どうしよう、という不安があると思うけど、とにかく体を大事にしてね」って全力で伝えることを心掛けていました。

そして、出産後も長く働いてほしい気持ちを前提に、長い目で見た時に「今」必要なサポートは何かを考えるようにしていました。そうじゃないと、目先のうまくいかないこと、うまくいかなくなりそうなことに目がいってしまい、お互いにストレスを抱えて思考停止です。

避けられない「急な欠員」という事実には落ち着いて対処し、目の前の妊婦社員には「心の底からのおめでとう」と「気持ちよく働いてもらう為に今できる支援」。これが長期的に信頼関係を築くために重要だと思っています。

 

2.告知する時~一斉周知?限定告知?~

川守田 実は私、伊藤さんのお腹が大きくなるまで妊娠に気づかなかったんです。
社員が妊娠した時、周囲への告知ってどうしていますか?
百瀬 告知に関しては、本人にオープンにしたいかどうかを確認した上で、限られたメンバーにだけ言うようにしました。やはり無事に産まれるなんて奇跡に近いと思っているので、流産してしまうリスクなども先輩として伝えつつ、「オープンにするか、最低限のメンバーにだけ言うか」確認していますね。
そして、産休までの間は、納期に余裕があるものや、会社に来たらすぐに着手できるお仕事を任せるようにしましたね。

 

3.業務の引継ぎ時~妊婦を説得する事も必要!?~

川守田 先程、妊娠報告を受けた際に「業務が滞らないようにするには、どうしたらいいか考えた」とおっしゃっていましたが、その後、具体的に何をしたんですか?
百瀬 早め早めに業務を引き継いでもらいました。いざ体調が悪くなって会社に来られなくなってから手段やスケジュールを考えると、引継ぎきれない事もあるんです。

そのまま入院し、そのまま産休に入る、という事もあるので、顧客にご迷惑をかけないためにも妊娠がわかった段階で引き継いでもらう事を判断しました。
ほとんど営業職などフロントのメンバーだったので、特に顧客に迷惑がかからないようにするのは気をつけました。

川守田 早め早めの対応が重要なんですね。
百瀬 あと、引継ぎの時は本人を説得した事もありました。
伊藤さんに限らず、責任感が強い人は「私、まだ出来るのでやらせてください」とか、極端なケースでいうと「私、こんなに休んでクビにならないですか・・・?」と言うメンバーもいました。

でもその時に「あなたの気持ちもわかるけど、万が一のことがあった場合に一番後悔するのは誰?」と聞いています。一生懸命なのは本当にありがたいんですけど、無事に出産する事を第一に考えるように促しています。

 

4.価値観の違いをマネジメントに~上司の性別・妊娠経験は重要ではない!?~

川守田 お話を伺っていると、百瀬さんご自身の妊娠・出産の経験に基づいて妊婦社員をマネジメントされているように思いますが、そういった経験がないと妊婦社員をマネジメントする事は難しいんでしょうか?
百瀬 妊娠・出産経験の有無はあまり関係ないと思います。私自身が妊娠したときは、つわりも体調不良もほとんどありませんでしたので、「自分の経験に基づいて」と言うよりも、「自分のメンバーに起きた事に基づいて」個人に合わせ、マネジメントを変えています。

だって、家庭や育児と仕事の両立は本当に人それぞれ。例えば、「結婚したら、すぐにでも出産!」という人もいるし、「子供ができてから結婚する。」という順番の人もいる。あとは「極力、仕事のペースを緩めたくない!」という人や「妊娠をしたら、大事をとって仕事は最低限にしたい。」という人など、多様な価値観があります。希望する「働き方」が「価値観」のひとつだと思ってまして、そこは「常識」の問題とはちょっと切り離しているかもしれません。

川守田 確かに。一人の問題でもないですしね。
百瀬 そう。家庭と仕事の両立は、ご家族の価値観も関わってくる。だから「価値観を理解する」という事は重視しています。上司がそれぞれの価値観を受け入れられないと、妊婦社員の働く意欲や、エンゲージメントも下がってしまうと思います。逆に、価値観を認めることで、仕事への意欲やエンゲージメントも上がると思っています。

それに、育ってきた環境も影響あるじゃないですか。お母さんが専業主婦だったとか、そうじゃないとか。お母さんがバリバリ働いていた人は「休むなんて信じられない!迷惑かけて本当にに私のバカ!」と、自分を責めてしまう人もいるんです。そういう時は、その価値観を受け止めつつ、体調を第一に考えられるよう、アドバイスしています。

 

5.リスクマネジメント~素直に喜べる事前準備を~

川守田 ここまでは「妊娠が発覚してから」について伺いましたが、「妊娠する前から」取り組んでいる事はありますか?
百瀬 休職リスクを考えて採用したり、余裕のある組織体制にしたり、しています。特に、お年頃のメンバーが多い部門には、産休に入る人が何パーセントかいる事を想定し、採用するようにしています。
川守田 採用する時からそこまで考えているんですね。では最後に、多くの妊婦社員を見届けてきた身として、マネジメント層にアドバイスがあればお願いします。
百瀬 やっぱり、起きている事と感情を切り分けて対処する事が大切だと思います。子供ができるって本当にハッピーな事なので。「妊娠した」という事と「欠員が出て困る」という感情を一緒に考えてしまうと喜んでもあげられないし、それが伝わっちゃうと、コミットメントが高いメンバーほど自己嫌悪になってしまうんですよね。欠員が出ちゃうのはしょうがない。だから基本的には「よかったね!」って心の底から言えるようにしておくって事がすごく大事だと思います。

事実と感情を切り分け、リスクに備える。
さすが、経験者は実用的なコツを語ってくれました。
続いて、妊娠・出産を経た伊藤に、当時の本音も聞いてみましょう。

 

伊藤愛登場

伊藤愛スタッフィング事業部
新卒でビースタイルへ入社。派遣営業後、コーディネーターマネージャーとなりブログ編集長を兼任していた。
社内外のミドル層からは、絶大な人気があるが、U-30にはあまりモテない。
2018年8月に産休に入り、9月に元気な男の子を出産。

1.妊婦社員の本音~妊婦社員が安心して働くには~

川守田 妊娠の報告をするとき、どんな気持ちでしたか?
伊藤 妊娠初期は胎児・母体共に不安定なので、周囲へは言いづらかったな。
でも、百瀬さんに「周りが気を遣うと思うので、まだメンバーには報告しない方がいいと思っています」と伝えたときに「私もそれでいいと思います」と言ってくれて、安心したな。
川守田 やはり報告するタイミングは妊婦側も気を遣いますよね。
伊藤 うん。でも、隠していても女性は気がつくみたいだね。男性には全く気付かれなかったですけど。笑
川守田 仕事への影響はどうでしたか?
伊藤 体調不良の時は出勤時間を11時~20時にしたり、午前休にしたり、都度変更していました。ミーティングの日程とかも、社内の人に協力してもらい、状況に応じて変更できてたかな。

それでも仕事が遅れてしまう時は、代理で業務を進めてくれる人がいました。業務が属人化していないのは大事だなと思いました。

川守田 引継ぎの時はどうでしたか?
伊藤 上司の業務の割り振りがとにかく早くて助かったな。
上司が妊娠・子育ての経験者だというのは大きかったかもしれないけど、妊娠初期に1、2週間休む事になって上司に連絡した事があって・・・。その直後に同僚から「どのタスクがどんな状況まで出来てますか?」て連絡が来て、早い!って思った。

急を要することなので、トップダウンでの業務分担や引継ぎは助かりました。業務が止まらないと分かれば、休む側も「休んで大丈夫だ」と安心できますし。

川守田 すぐに動いてくれると安心感ありますね。
伊藤 あと、引継ぎ時には上司が私を説得してくれました。体調が悪く休んだ日に「家でやります」って言った事があるんだけど、「家であってもストレスはかかるから」って言ってくれて。妊婦の事を考えてくれた発言だなって。

 

【b-style的Answer】

Q1 妊娠を報告されたときに、
どのようなコミュニケーションをとった方がいいか?
A1 まずは、心から「おめでとう」という気持ちを伝え、体調への気遣いを第一に。
早めに仕事を引き継ぐ段取りを取りながらも
出産後に前向きに復帰できるよう、期待感を伝える。
Q2 どうすれば妊婦社員の不安・負担が軽減されるのか?
A2 トップダウンで業務分担や引継ぎを決める。
また、属人的な仕事や、一人で進める仕事は避け、
フォローが可能な仕事を任せる。
Q3 欠員によって溢れた業務を、どう回せばいいのか? 
A3 休職リスクを考えて採用し、
普段から、業務が属人化しないようにする。

 

妊婦社員の体調・価値観は人それぞれ。
一人ひとりの状況に合わせたマネジメントが大事だという事がわかりました。

これで、明日部下に妊娠を報告されても対応できますね(笑)

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記事担当ライター

カワモリ

「おかわり!」でも「大盛」でもありません。「カワモリ」です。