中途採用はなぜ辞めるか?part2


「ちょっとご相談がありまして、ミーティングを設定しました」

部下から、こうしたメールが来ると、上司としては
嫌な予感がしませんか。

「実は、来月いっぱいで会社を辞めたいのですが」
という部下の退職相談だった。
私は、こんな経験が、過去に何度かあります。

「採用」という仕事をしていると
切っても切り離せない「退職」という問題。

特に中途採用は
即戦力と期待し、高い金額を
採用費としてかけています。

中途採用者が、十分な活躍がないまま、「退職」という結果に
なると、経済的にも精神的にも損失は小さくありません。
こうした退職を「ミスマッチ退職」と呼ぶことにしました。

どうしたら「ミスマッチ退職」を減らせるのか?

最近の中途採用傾向から起こりやすいミスマッチ退職の
防止策を考えてみました。
 

①気をつけたい リファラル採用

米国のIT企業で火がつき、日本でも広がり始めた
リファラル採用

リファラルとは、推薦の意味であり
社員やOB・OGの知り合いを、自社に合うであろうと
紹介・推薦してもらい選考をする採用手法です。

このリファラル採用に「ミスマッチ退職」の落とし穴が
あります。

私も経験がありますが
社員の紹介ということで、選考の過程において
ついつい選考基準が緩くなりがちになります。

特に、役員や管理職の紹介となると、紹介してくれた社員の顔が浮かび
紹介を受けた候補者を選考NGにすると、角が立つのではと、躊躇してしまいます。

また、候補者のやりたい事と会社のビジョンや方針を
十分にすり合せないまま、採用してしまうと
入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することが
起こりがちです。

「○○さんの紹介」という意識を一旦外し
リファラル経由の面接者も、他の候補者と同様の
面接、選考を行った方が、入社後の活躍につながることでしょう。

特に、良い面や条件だけでなく、仕事のつらい面や大変な面。
その会社が抱えている課題なども、十分に伝えた上で
それでも一緒に働きたいと思える仲間かどうかを
お互いによくすり合せた方が良いでしょう。

~リファラル採用こそ、慎重な選考を~

 

②サンクコスト効果を使う

▼サンクコストとは?(埋没費用)
人が行動した結果、その際に生じたコストが、後の意思決定に影響することを言います。
例えば、事業で、すでに投資した資金や時間を考えると
戦略転換や事業撤退などがしづらくなる。
いわゆる、「もったいない」という気持ちが、意思決定に影響を与えるということです。

このサンクコストを中途採用に置き換えてみました。

・採用面接や面談の回数が少ない。
・事前準備などを十分にしなくても、容易に内定が出た。

候補者が、努力や負担が少なかったと思うような
採用活動はサンクコストが小さいと言えます。
サンクコストが小さいと、辞めやすくなります。
簡単に付き合ったカップルが簡単に別れるのと似ています。

もちろん、昨今は求人倍率の高い売り手市場ですから
候補者からすると
・選考期間が長すぎる。
・面接の度に、いつも同じことを聞かれる。
・面接官の態度が厳しい圧迫面接。

これらは、候補者に敬遠されがちなので、気を付けたほうがいいのですが

容易に内定を出してしまうと
内定辞退や入社後の早期退職につながる
ミスマッチになりかねません。

例えば、サンクコストを高めながら候補者の動機を上げる方法として
・面接が終わり、次の面接の期間までに宿題を出す。
・自社に合わせた自己PRを候補者にしてもらう。
・社員との間に、選考ではない面談を設定し、候補者に取材をしてもらう。

などがあげられます。

適度な負担を与えながら、自社のことをよく知ってもらうような工夫が
有効と言えます。

また、役職者が面接で選考するだけでなく
一緒に働く社員との相性をはかってもらうのも
良いかもしれません。

内定後に社内見学会や、社員への質問会・食事会など
を設定し、フレンドリーな人間関係を構築してしまうと
サンクコストにより、辞退や退職をしづらくさせます。

~「ここまで努力したのだから、入社したい」と思わせる~
 

③口説くのではなく、好きになってもらう

採用活動は、恋愛と一緒。
相手を口説くような気持ちで、PUSHあるのみ。
以前までは、そのように言われていました。

たしかに
自社の良いところをPRして
候補者を口説いていくということは
入社動機をあげる有効な手法の一つです。

しかし、昨今は売り手市場になり、競争が増していくと
候補者にとっては、企業のPRもコモディティ化していき
どこも似通った口説き文句を言いがちになります。

例えば、ベンチャー企業であれば、
「うちは、若いうちから活躍できるよ」
「風通しがよくフラットな組織です」
「オフィスがおしゃれで、カフェスペースもあるよ」
「事業が急成長していて、勢いがある」

このような自社PRは
候補者からすると「違いが分かりづらい」
と思ってしまいます。

候補者に自社をPRして説得するのではなく
できるだけ情報をOPENにし
候補者自身に判断してもらうほうが、内定承諾に繋がりやすいでしょう。

また、面接の途中や、面接後に
候補者の強みや良いところを褒め
その強みが、自社でどのように活かせるか、
入社後の活躍をイメージしてもらうと
候補者の動機が上がります。

そして、自社のビジョンを自信を持って伝え
仕事ではなく、ミッションに参加をしてもらうように
候補者に伝えます。

「私達には、あなたが必要です。あなたの活躍の場が
ここにはあります。」

と十分に伝え、あとは候補者に自分の意思で好きになってもらうことが
入社後の活躍に繋がっていくことでしょう。
好きこそものの上手あれ。
自分で決めた決断は、簡単にはあきらめないものです。

~候補者の自分の意思で、仲間になってもらう~
 

まとめ

・リファラル採用こそ、慎重な選考を。
・サンクコスト効果で、入社したいと思わせる。
・自社のPRではなく、入社後の活躍イメージと仲間としての誘い。

自社でもなかなか出来ていないと改めて反省しました。
また人材紹介事業を行うものとして
もっと、こういった部分を支援する人材紹介会社にならなければと
決意を固めました。

お客様の採用の成功のために、全社一丸でコミットして参ります。
ぜひ、求人情報をお預けください。

この記事を書いた人
…44歳。ビースタイル常務執行役員。別名(色黒役員)
新卒で信用金庫入社、その後インテリジェンスを経て、ビースタイル創業1年目に入社。
しゅふJOBスタッフィング(主婦のパートタイム型派遣)事業の責任者、新規事業責任者
人事責任者・管理部門責任者等を歴任。
現在、2つの事業統括と、法人マーケティングの責任者。
休日は、少年サッカーのコーチを行い、真冬でも日本人離れをした小麦色の肌を見せているが江戸っ子。
3人の娘の父親。